2013年から継続して「未来の公園」にまつわるリサーチと作品制作を展開している山口情報芸術センター[YCAM]とムン・キョンウォンの共同プロジェクト「プロミス・パーク・プロジェクト」のウェブサイトです。古今東西の都市に存在し、人と自然が交差する「公園」の本来の役割や、人間ひいては生態系における意味を主題に、専門領域の研究者と調査を重ね、新しい公共空間について考察した、その成果を公開しています。
本ウェブサイトに掲載されている論考をはじめとするコンテンツは、同プロジェクトの活動をまとめた書籍「Promise Park」(workroom press/2017年7月発行)から抜粋・編集したものです。
「未来の公園とはどういうものか?」。「プロミス・パーク・プロジェクト」(以下「PPP」)は、アーティスト、ムン・キョンウォンによるこのような問いを出発点に、山口情報芸術センター[YCAM]と共同で進められてきた。その制作過程は、アーティスト、研究者、シティプランナー、エンジニア等、様々な分野の専門家が学際的なワーキンググループを作り、「未来の公園」についてのリサーチとディスカッションを行いながら、共同制作を進めるというものである。リサーチ・ショーケースやワークショップを挟みながら、最終的に展覧会というかたちでその内容が発表された。本書には、そのプロジェクトの2013年から2015年の3年にわたる成果が収録されている。
ソウル(韓国)生まれ。梨花女子大学校卒業後、カリフォルニア芸術大学にて修士号取得。文学的な時間構造を分析し、批評的にアプローチした映像やインスタレーションなど、様々なメディアを通して作品を発表。ソウルスクエアのメディアキャンバスなど、パブリックアートプロジェクトでのインスタレーション展示もおこなっている。主なグループ展に、ドクメンタ13(2012)、光州ビエンナーレ(2012)、シンガポールビエンナーレ(2013)、ホームワークス6, ベイルート(2013)、福岡トリエンナーレ(2014)、深圳インデペンデントアニメーションビエンナーレ(2014)、リール 3000フェスティバル(2015)がある。近年は、ソーシャルプラットフォームを創造することを目的とした、チョン・ジュンホとのコラボレーションプロジェクト「News From Nowhere」に注力し、2015年にスイスのミグロス現代美術館、2013年にシカゴアートインスティテュート内のサリバンギャラリーでの展示をおこなった。2015年、ベネチアビエンナーレ韓国館代表作家。
http://www.newsfromnowhere.kr
展示スペース、劇場、ミニシアター、市立図書館を併設する山口市の複合文化施設。2003年に開館以来、国内外からアーティストを招聘し、長期的な滞在制作を経て、委嘱作品の制作・発表をおこなっている。YCAMで制作をおこなった作品は国際的に高い評価を受け、国内外で発表が行なわれている。アート、科学、情報技術の領域を横断したクリエーションが特徴で、メディア・テクノロジーの専門家が所属するYCAM InterLabが作品制作の技術的なサポートを行っている。また、近年は様々な分野の専門家とのコラボレーションを行いながら、R&D(研究開発)プロジェクトを展開し、ワークショップなどの教育コンテンツ開発、ソフトウェア/ハードウェア開発、論文発表など、総合的かつ長期的な活動を行っている。
http://www.ycam.jp
http://interlab.ycam.jp/en/